
療育(発達支援)とは、障がいのある、またはその可能性がある子どもに対して必要な支援を行うことにより、心身の発達を促し、社会的に自立して生活ができるようにする取り組みのことを指します。
障害者基本法に使用されている「療育」という言葉は「肢体不自由児への社会的自立に向けたチームアプローチ」という概念として誕生し、「治療」と「教育」を合わせた支援として使用されていましたが、現在はその概念を発展させて「発達支援」と同様の意味で使われるようになっています。
身体に障害のある子どもだけではなく、発達が気になる子どもも対象としながら、本人だけでなく、その家族への支援、保育所、地域の支援機関への支援も含めた広い概念として定義されています。
療育(発達支援)の目的である「社会的に自立して生活ができるようにする」為には、どのような支援が必要でしょうか。例えば「他者とのコミュニケーションが苦手」、「落ち着きがない」など子どもによって様々な特性があります。
集団行動が苦手という場合には、子どもと支援員が1対1で行う支援が適しているかもしれません。
療育(発達支援)には、一人ひとりの特性に合った支援が行えるよう「個別療育」「集団療育」の2種類の支援方法があります。それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説させていただきます。

個別療育は、支援員が子どもと1対1のマンツーマンで行う支援になります。
前述した「他者とのコミュニケーションが苦手」、「落ち着きがない」といった理由で集団での療育を受けることが難しい場合には、個別での療育を選択します。
子どもの特性や発達状況に合わせて策定した「個別支援計画」に沿って、支援員とコミュニケーションを取りながら困りごとの改善を図っていきます。
具体的には、障害特性に合わせて「応用行動分析学(ABA)」「TEACCH」、「作業療法」や「言語療法」などのプログラムを通して支援員との信頼関係を築き、子どもの心理的安全性を確保することで安心して過ごせる場所を作っていくよう、コミュニケーションを行います。
厚生労働省は障害のある子どもへの支援の一つとして『アタッチメント(愛着行動)の形成』という表現を使っています。「人との関係を意識し、身近な人と親密な関係を築き、その信頼関係を基盤として周囲の人と安定した関係を形成するための支援を行う。」ことにより、子どもと支援員の関係性を構築する大切さを示しています。